「ワクチン・検査パッケージ」でまずは国内旅行へ
9月3日、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会で、感染防止対策を講じながら日常生活を取り戻すために盛り込まれたのが「ワクチン・検査パッケージ」です。
ワクチン接種が進む中で日常生活がどのように変わっていくのか、という考え方が示されワクチン接種歴およびPCRなどの検査結果を基に、“個人が他者に二次感染させるリスクが低い”ことを示す仕組みです。
県境をまたぐ旅行や冠婚葬祭、全国から集まる大規模イベントなど、新型コロナウイルスの感染リスクが高い場面、クラスター発生や重症者リスクが懸念される場面や活動などに適用されることを前提に提案されています。
つまりワクチン接種の証明書やPCRなどの検査結果を提示することで、旅行やイベント参加などを徐々に再開することを検討しましょうと言う事です。
なお、海外渡航用に既に発行されている「ワクチンパスポート」とは異なります。「ワクチンパスポート」については別のコラムで説明していますので、あわせてチェックしてくださいね。
さて、この「ワクチン・検査パッケージ」ですが実際どのような施策なのでしょう。
諸外国の例では、例えばフランスの場合、バー、レストラン、美術館やショッピングセンターを利用する際はワクチン接種証明書やRT-PCR検査または抗原検査の陰性証明書などの「衛生パス(pass sanitaire)」の提示が義務付けられており提示しない場合、罰金として€135(約¥17,800)が課せられます。
また、アメリカの場合は都市単位の規制となっておりサンフランシスコでは8月20日からレストラン、バー、カフェなどの施設利用にはワクチン接種証明の提示が義務化されました。
恐らく日本ではこのような厳格な義務化の可能性は低いと思われますが、導入後の感染者数の増減や経済状況が回復するか先例として注目する必要があります。
では、いつから「ワクチン・検査パッケージ」が導入されるのでしょう。
前述の分科会の提言の中で開始時期の目安として、「ほとんどの希望者にワクチンが行き渡る事が鍵となる」とされており、一例として11月頃が挙げられています。
ワクチン接種については重篤なリスクが無いわけではないのですが、接種せずに罹患するよりも接種することでのリスクが少ないことは明らかです。
また、接種率が上がることで「集団免疫」と呼ばれる状態に近づき感染者数が激減している例が世界中で見られます。
少なくとも1回目の接種をした割合が50%を超えるあたりから感染者数が減る傾向にありましたが、日本では9月12日現在のデータでは少なくともワクチンを1回接種した人が62.16%となっており、接種が完了した人は50.04%と50%の大台を超えました。
この割合は、各国での感染者数が減少していく数値に合致しており、確かに全国的に感染者数が減少している事は連日の報道の通りです。
但し、現時点ではあくまでも提言であり、ワクチンの接種率や感染者数、医療体制などの状況を基に、これから導入について議論が重ねられることとなります。
とは言え、条件を満たせば旅行をすることも可能となれば旅行業としては大変明るいニュースです。
実際、8月1日から沖縄ではワクチン接種済み証明又はPCR検査での陰性証明の提示によってブルーリストバンドを配布し、様々なサービスを受けられる特典がブルーパワープロジェクトとして、実施されています。
まさに「ワクチン・検査パッケージ」の先駆けと言えるでしょう。
ワクチン接種をすることで、ご自身のみならず周りの方々への感染リスクが下がります。
もちろん、接種をしたくてもアレルギーなどの影響がある為に出来ない方がいらっしゃる事は承知しておりますが、そうでない方は、「マイクロチップが埋め込まれる」等の訳の分からない噂を真に受けず、正しい情報を見聞きして冷静に判断をして、ワクチン接種をされることをお勧めいたします。
※2021年9月12日現在の情報です。この記事は、政府が発表したワクチン・検査パッケージについてまとめたもので、新型コロナウイルスワクチン接種の是非について論じるものではありません。
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